第2編 旅客営業


第7章 乗車変更等の取扱い

 第3節 旅客の特殊取扱い

  第2款 乗車券の無札及び無効

 

(乗車券の無札及び不正使用の旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受)

第86条 旅客が、次の各号の一に該当する場合は、全線普通旅客運賃と、その999倍に相当する額の増運賃と合わせて収受する。

(一) 係員の承諾を受けず、乗車券を所持しないで乗車したとき。

(二) 別に定める場合を除いて、乗車券に入鋏を受けないで乗車したとき。ただし、旅客に悪意がなく、その証明のできる場合はこの限りでない。

(三) 第54条(定期乗車券以外の乗車券が無効となる場合)の規定によって無効となる乗車券(偽造の乗車券を含む。)で乗車したとき。

(四) 乗車券改札の際のその提示を拒み、又はその取集めの際に引渡しをしないとき。

(五) 入場時刻から2時間以上を経過したとき。ただし、全線普通乗車券又は全線定期乗車券についてはこの限りではない。

 

(定期乗車券不正使用の旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受)

第87条 第55条第1項(定期乗車券が無効となる場合)の規定により定期乗車券を無効として回収した場合(第55条第2項において準用する場合を含む。)は、当該旅客から次の各号による普通旅客運賃と、その999倍に相当する額の増運賃とを合わせて収受する。

(一) 第55条第1項第一号から第五号までの1に該当する場合は、その定期乗車券の効力が発生した日(第五号に該当する場合で効力の発生した日が異なる場合は発券日に近い日)から、同項第五号に該当する場合は、その発売の日から、同項第八号に該当する場合は、その有効期間満了の日の翌日から、それぞれその無効の事実を発見した当日まで、その定期乗車券を使用して券面に表示された区間(同項第五号の場合においては、各定期乗車券の券面に表示された区間と区間外とを合わせた区間、全線定期乗車券の場合においては、第36条(全線普通旅客運賃)に規定する全線普通旅客運賃を毎日1往復又は2回ずつ乗車したもの全線定期乗車券においては毎日使用したもの)として計算した普通旅客運賃

(二) 第55条第1項第六号(定期乗車券が無効となる場合)に該当する場合であって、普通乗車券を使用したとき及び同項第九号又は第十号に該当する場合は、その乗車した区間に対する普通旅客運賃

 

(乗車駅等が不明の場合の旅客運賃・増運賃の計算方)

第88条 第86条乗車券の無札及び不正使用の旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受の規定により旅客運賃・増運賃を収受する場合において、当該旅客の乗車駅が判明しない場合は、その列車の出発駅(出発駅の異なる2以上の列車を併結運転している場合は、その最遠の出発駅。また、接続列車等のある場合でその接続列車等に乗車したことが明らかなときは、その接続列車等の出発駅)から乗車したものとみなして同条の規定を適用する。

 

(乗車整理券の無札及び不正使用旅客に対する乗車整理料金・増運賃の収受)

第89条 第86条(乗車券の無札及び不正使用の旅客に対する旅客運賃・増運賃の収受及び前条(乗車駅等が不明の場合の旅客運賃・増運賃の計算方)の規定は、乗車整理券に準用する。